読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

etc.blog

自分で考える色々を書いてます。

閉ざされる感情と、心地良い冷たさ。

 笑い合った瞬間に、胸のうちで何かがパチリと噛み合って死んでいく感情がある。相手も自分も楽しそうにしているのに、確信してしまう。

 ――あ、この人は何も分かってくれない。

 相手が悪いわけじゃなくて、単純に相性が悪かった。気持ちを込めて一生懸命に話していたつもりなのに、結局そんなものは独り善がりでしかなかったんだよ、そんな風に聞こえるみたいだった。

 それが可笑しくて、私は笑っていたのかもしれない。

「じゃあ、相手に理解してもらえるように話せばいいじゃないか」

 そうじゃない。理解はしてもらえないんだ。恋が恋であると断言できるみたいに、分かり合えないことを断言できる。 

 急激に気持ちが冷めてしまう。その確信を得る前の状態には二度と戻れない。私は慎重に、決して相手に悟られることのないように感情を閉ざす。

 閉ざされた感情の前に残された孤独は、言い換えれば私の尊厳である。

 私を私足らしめる尊厳が、他人を排斥していく。そこには幸福感を見出すことさえできる。

 どうしようもなく、冷たい。アスファルトのように人工的な、心地の良い冷たさ。